3.11福島事故を招いた二重の間違い
2021-03-11


福島事故に関し、日本は二つの間違いを犯していたと思う。
一つは米国から無批判に津波対応を自然災害の主要因としていない配置設計のBWR原発を導入したこと。
もう一つは、同じく、米国主導のICRPから無批判に被ばく基準を導入し、法令としたことである。これらはいずれも自主、民主、公開の三原則に反している。
特に二つめの導入が、福島事故の拡大と住民の避難悲劇を生んでいる。
このところ、事故時のサイトの再現ドラマが放映されているが、作業員が放射線被ばく基準により必要な作業ができず、水素爆発に進んでいく様子が分かる。また、住民が法令で定まる被ばく基準に従った国の避難命令で故郷を追われたことである。
ICRP被ばく基準は広島・長崎の原爆被爆者のがん発生率のデータを基にしているが、統計的に不確かさの大きい低線量域に根拠なく外挿したデータであり、また、原爆は1マイクロ秒の被ばく現象だが、原発や放射線医療の被ばくは被ばくの時間当たり線量率が百万分の1以下である。即ち、DNAの修復のための十分な時間がある。その百万倍以上の差を考慮に殆ど入れてない被ばく基準が作られ、福島に適用されているのであるから、原爆は2重に日本に被害をもたらしたということである。古い配置設計のBWRを押し付けられたことも加えれば、日本の自主性が無視された歴史が今も続いていることになる。
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