トイレを我慢できる脳の作り方
2024-07-21


知り合いに、昔の特攻隊の生き残りが居た。
 その方は、老齢にもかかわらず、トイレに半日は行かなくても大丈夫なのである。

 鹿児島から沖縄まで若いころ何度もゼロ戦で往復し、米軍の艦砲射撃を受けながら(ゼロ戦は軽くするために鋼板が薄く、足元の銃弾孔から海が見えたらしい)運よく終戦を迎えた。

 今思うに、そんな状態で、機内でトイレをすることは物理的にも心理的にもできはしなかっただろう。

 これが心理的な訓練になったはずである。即ち、トイレを長時間我慢できるという脳の回路が確立したのである。

 ヒトの摂食や排せつ行動には、体内の細胞、感覚器官からの伝達物質、神経回路による脳内での応答以外に、その応答に対する報酬回路が働いている。(二河、感覚と応答の生物学、p。256(放送大学教育振興会))即ち、その報酬が何なのかをもう一度考え直す必要がある。

 ゼロ戦の場合、排泄の要求が体内からあったとしても、それを抑制することが生命の維持に必要だと脳が考えたら(ゼロ戦乗りは当然そう考えただろう)その報酬回路をトイレをしないことが報酬が大きいと無意識に考え、そのような負のフィードバック回路を脳内で構築したのだろう。

 これを現代の頻尿治療に応用することはできないか。それも単にトイレを我慢するのではなく、トイレに行かないことで生命が助かる状況を作り上げるのである。これはヘタをすると命に係わるので誰にでも進めることはできないが、例えば、トイレに行きたくなった時にあえて危険性がある行動をとることである。(具体的には各自の環境、状況によるだろうし、フィードバック回路が脳内に出来る前にこの訓練のためにけがをしたりしたら本末転倒になる。)例えば、本人に知らせずに、突然の避難訓練を繰り返すなどすれば、多少は効果があるかもしれない。

 このような行動を繰り返すことで、脳内にゼロ戦乗りと同じ回路が形成され、容易にはトイレに行かなくでも済むようになるはずである。(保証はできないが。)
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