高度を下げれば太陽フレア被ばくリスクは避けられるのか?
2023-08-18


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によれば、航空機の巡航高度を現在の12キロメートルから9キロメートルにさげることで、太陽フレアによる危険な線量率(80μSv/h)の被ばくを避けられるらしい。

 しかし、問題はこの線量率の設定である。これは過去の巨大な太陽フレア発生時の「地表レベル」での線量率から評価したものである。

 一方、天文学事典図8-17では、太陽フレア発生時の詳細な観測結果として、インパルシブ相と称するフレア爆発の初期において、硬X線(高エネルギーX線)の1分程度の幅のピークがみられる。この線量率変化は秒速で変化する大きな値である。この初期ピークにおける線量率変化が上記80μSv/h(80μSv/時間)の制限では考慮されていない。これは、単位時間幅が3600倍(時間と秒の比)も異なることから明らかである。

 X線は大気層で3桁以上の減衰を受ける。

 上空ではこの硬X線のインパルシブ相における高線量率被ばくが地表の数千倍になり得る。これが、CA等の乳がん発症の主要因ではないかと考えられる。

 上記論文に関しては、この効果も含めて基準を見直してもらいたい。高度12キロから3キロ下がった程度では、空気によるX線遮へい効果には大差はないのである。
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