ロシアの対日本報道機関スプートニク日本は10月11日付記事
「核のレトリック:虚偽報道?それともハルマゲドンは現実なのか?」
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において、ロシアの核使用はゼレンスキー大統領の夢物語であり、ロシアにはその必要性がないという見解を示している。
この記事の筆者の趣旨は、ロシアが核を使用することで、NATOがウクライナ戦争に本格介入することになり、それがゼレンスキー大統領やウクライナに有利になるが、ロシアは通常兵器で十分勝てるのでその必要はない上に、核を使用すれば、ロシアによる占領地は汚染されて使い物にならないので核使用をすることはありえないということらしい。
しかし、ロシア軍はウクライナ軍に押し戻されているとの報道に見られるように通常兵器戦で劣勢であり、更に、広島・長崎で示されたように空中核爆発の場合には、放射能汚染は大きな問題にはならず、復興の妨げにはならなかったということもある。
即ち、この記事の主張は根拠が乏しく、プーチンのこれまでの言動から核使用の可能性は十分考えられる。
このスプートニク日本の記事の後半では、更に、ウクライナは西側から戦術核兵器を手に入れようとしており、ウクライナでの核使用はロシアの核ではなく、ウクライナによる戦術核の可能性があると主張している。これは、情報戦そのもので、仮に核使用された場合のためのロシア側のPR記事ともなっている。
ロシア政府の在日関係者は、日本向けではなく、クレムリン向けに歴史の実態に従った提言、情報提供を行うことに注力したほうがロシアと世界のためになるのではないだろうか。
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