2021-12-12
今朝のNHKの広島被ばく者に関する特集番組によれば、1957年原爆医療法の創設の裏には、被ばく者が当時国家的な機運が高まっていた原発の実用化のために、事故時に原爆被爆者の医療の経験が役立つはずだという理由による運動があったとのことである。
原爆被爆者のがん発生率が一般の1.5倍であるという解説もあった。
では、福島事故対応でこれらの情報が反映されたであろうか。
ICRPは確かに広島長崎の被爆者データを大規模に収集したが、低線量領域での被ばく影響はあいまいなままである。そして、福島事故当時の厚労省、厚労大臣はICRPによる放射線管理基準をそのまま避難区域設定に適用し、多くの避難者を生んでしまった。
一方、がん治療による大量被ばくの人体影響データは医療界に埋もれたままで、広島長崎の被爆者の願いは忘れられたままである。
原爆の瞬間被ばくと、がん治療の時間オーダーの被ばくではDNA修復挙動に大きな差があると考えられる。
原爆とがん治療の照射線の両者を被ばくした方々の貴重なデータがICRP基準の見直しに十分反映されるような体勢を作る必要がある。
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